土地の境界線
土地の境界線を確定しておくことは非常に大切です。もし仮に、土地の境界線が曖昧なままで建物を建築してしまうと、結果としてその建物が他人の土地に跨ることとなり、隣地トラブルを引き起こしてしまう恐れがあります。
したがって、自分の土地の範囲が「どこからどこまで」存在するかといった事柄は、最低限把握しておく必要があります。
しかし、この境界線は目に見えるものではないため、境界を示すためには「境界標」と呼ばれる印を利用することになります。境界標が存在することで、隣人同士の土地の境界線について互いに把握することが可能となります。また、第三者から見ても土地の所有範囲が明確に判断できる点や、境界標によって不動産登記制度の充実を実現することが出来る等の様々なメリットが存在するため、境界問題において境界標は重要な役割を果たします。
最初から境界標が存在していれば、その境界標に基づいて土地の境界線を確定しますが、中には時効などの要因により私法上の境界標と公法上の境界標が一致しないケースも多々あります。このように境界について争いが生じた場合には、「筆界確定訴訟」という訴訟を提起することで、裁判所が公的に境界を確定し問題解決を図ることになります。また、筆界確定訴訟以外にも、裁判所を通じないで迅速に筆界を特定する「筆界特定手続き」も存在します。
なお、同じ土地について筆界特定訴訟と、筆界特定手続きが共に提起されていた場合は、基本的に筆界特定訴訟の判断が優先されることになります。
土地の境界線問題に関しては、民法においても以下の様な規定が存在するため注意が必要です。
・境界標の設置費用は、土地の所有者と隣地の所有者との共同費用で共同して設ける(民法223条)
・境界標の設置及び保存の費用は、土地の所有者と隣地の所有者が等しい割合で負担する。しかし、土地の測量の費用は、その土地の大きさによって分担する。(民法224条)
しおかぜ法律事務所では、千葉県の千葉市、鴨川市、山武市、いずみ市と、東京都全域において、土地の境界線に関するご相談を承っております。
「土地の境界線が曖昧だからどうにかしたい」「隣人との間で土地の境界線を巡ってトラブルが発生した」といった方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談ください。