遺書と遺言書の違い
残された家族を守るために知っておくべきこと
1. はじめに
「遺書」と「遺言書」という言葉、日常会話の中では同じように利用されることも多いのでしょうか?ただ法律的には意味も効力も大きく異なります。
特に相続の場面では、この違いを理解しているかどうかで、残されたご家族の負担や争いの有無が変わることさえあります。
そこで今回は、「遺書」と「遺言書」の違い、その種類や作成方法、相続における重要性について、弁護士として出来るだけわかりやすく解説します。
2. 遺書と遺言書はどう違うのか?
まず、法律上の位置付けを整理してみましょう。
2-1. 遺書とは?
- 一般的に「遺書」とは、亡くなる前に思いや気持ちを書き残す手紙やメッセージのことです。
- 法律的な形式や効力はなく、相続や財産分与を直接決定する効力はありません。
- 例えば、「家族への感謝」「生前の思い出」「最後のお願い」など、感情的・道徳的な内容が中心です。
2-2. 遺言書とは?
- 遺言書は法律で定められた方式で作成される、財産や相続に関する最終意思を示す書面です。
- 正しいルールに則って作成すれば、相続の分配や不動産の承継などに法的効力を持ちます。
- 相続争いを防ぐための重要なツールになります。
3. 遺言書の種類と特徴
法律で認められている遺言書にはいくつかの種類があり、それぞれ作成方法や手続きが異なります。
3-1. 自筆証書遺言
- 全文を自分で手書きする方式(財産目録はパソコンや代筆可)です。
- 令和2年7月からは「遺言書を法務局で保管できる制度」も始まり、紛失や改ざん防止が可能になりました。
メリット
費用がほとんどかからず、自分のタイミングで作成できる。
デメリット
方式不備で無効になるリスクがあり、保管場所によっては紛失の可能性も。
(参考記事:相続でもめないための生前対策(終活・遺言書作成))
3-2.公正証書遺言
- 公証役場で公証人が作成し、原本を保管してくれる方式。
- 証人2名が必要ですが、方式の不備で無効になるリスクはほぼありません。
3-3. 秘密証書遺言
- 内容を秘密にしたまま、公証役場で遺言書が存在することを証明してもらう方式。
- 実務ではあまり利用されません。
4. 遺言書が相続で果たす役割
遺言書があることで、相続人間の争いを防ぎ、手続きをスムーズに進められます。
例えば、相続財産に不動産が含まれている場合、誰が住むのか、売却して分けるのかといった判断が早くまとまります。
特に重要なのは、「家族の感情のもつれを減らす」効果です。
私はこれまで、遺言書がなかったために兄弟・姉妹などの関係性が絶縁状態になってしまった事例を何度も見てきました。その多くは、財産の金額よりも「自分が軽んじられた」という感情のこじれによるものでした。
5. 弁護士に相談すべき理由
「遺言書は自分で書けるから…」と思う方も多いですが、実務上は専門家の関与があった方が安全です。
5-1. 方式不備を防げる
自筆証書としての遺言書は有効になるためには、民法上の要件(形式、記載事項等)を満たす必要があります。この要件、形式を間違えると無効になります。
5-2. 相続トラブルを事前に予防
家族間の関係性や財産の性質に応じた内容にできるため、「残された家族が揉める可能性」を減らせます。
5-3. 不動産や事業承継も含めた総合的な助言
特に不動産が絡む相続では、売却・処分までサポートできる弁護士に相談すると安心です。
しおかぜ法律事務所は不動産会社との幅広いネットワークを持っている強みを活かし、「不動産をお金に変えるところまで」伴走可能です。
6. しおかぜ法律事務所(山口弁護士)の強み
しおかぜ法律事務所では、法律的な解決だけでなく、依頼者やそのご家族の「心の負担」を軽くすることを大切にしています。
- 寄り添う姿勢:相談時はじっくり時間を取り、雑談も交えながら緊張をほぐします。
- 守秘義務の安心感:家族や友人にも話せない悩みを安心して話せます。
- 難しい案件にも対応:他の事務所が断るような複雑な事案も、依頼者に寄り添って解決を目指します。
- 不動産分野の実務力:不動産会社とのネットワークを活かして、空き家や相続不動産の売却・処分まで支援可能です。
7. まとめ|生前に「遺言書」の準備を
- 遺書と遺言書は意味も効力も違います。
- 遺言書は法的効力があり、相続争いを予防できます。
- 弁護士に相談すれば、形式不備やトラブルのリスクを減らせます。
ご家族の安心のために、「まだ早い」と思う今こそ準備を始めませんか?
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Office Overview
事務所概要
| 名称 | 弁護士法人しおかぜ しおかぜ法律事務所 |
|---|---|
| 資格者氏名 | 山口 海(やまぐち かい) |
| 所在地 | 〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央4-10-16 CI-22ビル3階(受付 302) |
| 連絡先 | TEL:043-307-8072 |
| 対応時間 | 平日10:00~18:00 |
| 定休日 | 土・日・祝 |
| アクセス | JR「千葉駅」より徒歩15分 京成「千葉中央駅」より徒歩10分 千葉モノレール「県庁前駅」より徒歩5分 |
