親の不動産を相続したが、
兄弟間で意見が合わないときにすべきこと

こんにちは、しおかぜ法律事務所の弁護士 山口です。

今回は「親の不動産を相続したが、兄弟間で意見が合わない」というお悩みについて、法律的な観点と、現場で私がよく見聞きする「リアルな話」を交えながら解説していきたいと思います。

このテーマ、実はとてもご相談の多い内容です。「兄は売りたい、私は住みたい」「姉が急に口を出してきた」「弟が勝手に不動産業者に話を通していた」など、家族間でのすれ違いが、最終的には争いごとにまで発展してしまうケースもあります。

不動産の相続は「揉める」要因がたくさんある

不動産を相続したとき、一番大きな壁になるのが「共有」です。つまり、不動産が複数の相続人の共有財産となってしまうと、1人の意志だけで勝手に売ったり貸したりすることができなくなります。

たとえば、

• 親の住んでいた自宅を相続したが、兄弟3人で共有になった

• 1人は売却を希望、1人はそのままにしておきたい、もう1人は自分が住みたいと言っている

──このような状況、よくあるんです。しかも、共有名義の不動産は、話し合いがまとまらないと何も進まない。時間だけが過ぎていき、固定資産税の負担は続くし、空き家になれば管理責任も発生します。最悪の場合、草木が伸びて近隣から苦情が出る…なんてことも。

ですから、「相続した不動産をどうするか」は、なるべく早い段階で方向性を決め、兄弟姉妹の間で共通認識を持っておく必要があります。

意見が合わないときにしてはいけないこと

「もう勝手にやっちゃおう」と思ったことはありませんか？

でも、これは絶対に避けてください。不動産の売却や賃貸、建て替えなどは、共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すれば進めることはできません。仮に勝手に手続きを進めてしまえば、トラブルがさらに深刻になり、最終的には訴訟に発展することもあります。

また、親の不動産を「感情的な問題」にすり替えてしまうのもNGです。

• 「昔から私が面倒を見てきた」

• 「あの子は親の介護に一度も来なかった」

• 「長男だから当然自分のものだ」

──お気持ちは痛いほどわかります。ただ、それらは、一部の例外を除き法律上の相続分や権利義務には影響しません。相手がそれを受け入れない限り、話し合いが平行線になってしまいます。

弁護士に相談することで得られる具体的なメリット

では、兄弟姉妹で意見がまとまらないとき、誰に相談すれば良いのでしょうか？

税理士？不動産屋さん？司法書士？

もちろんそれぞれの専門家にも役割があります。でも、相続の中でも「不動産」が絡み、「人間関係」や「意見の対立」が出てきた場合は、最初に弁護士に相談されるのがベストです。

弁護士は単なる登記や手続きの代行ではなく、「利害調整」や「紛争予防・解決」に強みがあります。特に当事務所では、以下のような流れでご相談をお受けしています。

1. 現状の整理と把握（どのような不動産か、誰が関係者か）

2. 権利関係の明確化（それぞれの法定相続分、名義、権利義務など）

3. 今後の選択肢を提示（売却、分割、持分譲渡など）

4. 希望に応じた交渉・調整サポート（必要であれば相手方との代理交渉や調停申立ても）

また、不動産業者との独自のネットワークを活かし、売却や賃貸など「お金に変えるところまで」支援が可能です。

これは、単なる「法律相談」だけで終わらない、しおかぜ法律事務所ならではの強みです。

相続で争わないためのコツ：「法的整理」×「心の整理」

相続で揉める一番の原因は、実は「お金」よりも「感情」です。

「私は大切にされていなかった」

「相手はズルい」

「親が一言言ってくれればよかった」

──こうした思いが根底にあるまま、話し合いをしてもうまくいきません。

だからこそ、私たちは相談に来られた方に、まず「話す場」をしっかり設けるようにしています。雑談のように聞こえるかもしれませんが、心のわだかまりを吐き出すことが、解決への第一歩になるんです。

「弁護士って怖いと思ってましたが、山口先生に話してよかった」

「ただ話を聞いてもらえただけで、スッとしました」

──そんなお声をよくいただきます。

相談に来られる方は、皆さんどこかで「誰にも話せない」と思い込んでおられます。守秘義務のある弁護士だからこそ、「安心して吐き出せる場所」として活用していただきたいと思っています。

不動産相続の相談は、しおかぜ法律事務所へ

不動産と相続の問題は、「法律」だけでも、「感情」だけでも解決できません。

双方のバランスを見ながら、関係者全員が納得できる着地点を見つけるには、経験と人間的な寄り添いが必要です。

しおかぜ法律事務所では、不動産の問題に強い弁護士が、法的視点に加え、精神的なサポートも重視してご相談に対応しております。

• 相続した不動産がどうなっているのか分からない

• 他の相続人と意見が合わず困っている

• 早く処分して現金化したいけど話が進まない

──そんなときは、一度ご相談ください。

ご家族の未来を壊さないために、専門家としてしっかり寄り添い、最適な道を一緒に探していきます。

▶ お問合せはこちらからどうぞ

👉 https://shiokaze-law.com/inq/