個人間で不動産売買する際の注意点を解説
不動産の売買は、通常は不動産会社を介して行われますが、親族間や知人同士などで個人間売買を行うケースもあります。
仲介手数料がかからないメリットはあるものの、重要なポイントを見落とすと後に大きなトラブルにつながる可能性もあります。
今回は、個人間で不動産売買を行う際に注意すべき点を解説します。
個人間売買のメリットとデメリット
最初に、個人間売買の特徴を簡単に整理します。
■メリット
- 仲介手数料がかからずコストを抑えられる
- 売主・買主の意思疎通がしやすい
- スピーディに売買を進めやすい
■デメリット
- 重要事項説明がないためリスクが高い
- 契約や登記の手続きを自分で行う必要がある
- ローン審査が通りにくい可能性がある
- 万が一のトラブル時に自己責任となる
事前準備を徹底すれば、個人間売買でも取引自体は可能です。
しかし気軽に行うにはリスクが大きいため、慎重な対応が求められます。
個人間で不動産売買する際の注意点
個人間で不動産売買する際の注意点は、以下の通りです。
- 契約前に物件情報をよく確認する
- 重要事項説明書が交付されないリスクがある
- 契約書の作成と内容チェックをする
- 所有権移転登記に注意する
- ローンを利用する際の審査が厳しくなる
それぞれ確認していきましょう。
契約前に物件情報をよく確認する
個人間での不動産売買では、売主がすべての情報を開示する義務を持っています。
たとえば、以下のような情報です。
- 登記簿謄本に記載された所有者の情報
- 対象不動産の面積や構造、築年数
- 建築確認済証・検査済証の有無
- 都市計画や用途地域による制限
- 境界が明確であるか(筆界確認書・測量図などの有無)
登記内容と現実の状況が一致しているかを確認し、疑問点があれば必ず事前に解消してください。
重要事項説明書が交付されないリスクがある
不動産会社が仲介に入る場合、宅地建物取引士による重要事項説明が義務付けられています。
しかし、個人間売買では重要事項説明書の交付義務がありません。
以下のような重要な情報も、説明されない可能性があるため注意してください。
- 建物の瑕疵(雨漏り・シロアリ・傾きなど)
- 法令上の制限
- 敷地の境界トラブルの有無
- 過去の建築確認違反や増改築の履歴
ただし不動産の個人間売買を検討しており、銀行にローンなどの相談をしに行くと、必ずと言っていいほど重要事項説明書の提出が求められます。
契約書の作成と内容チェックをする
個人間売買だとしても、売買契約書を作成する必要があります。
口頭での約束や手書きのメモだけで進めると、後に言った言わないのトラブルが発生しやすくなるからです。
契約書には、少なくとも以下の内容を明記してください。
- 売買の対象となる不動産情報
- 売買金額および支払い方法
- 引き渡し日と所有権移転時期
- 固定資産税などの精算方法
- 契約解除の条件
- 万が一の契約不履行時の対応
専門的な内容が多いため、弁護士など専門家によるチェックを受けるのもおすすめです。
所有権移転登記に注意する
売買が成立したら、「所有権移転登記」の手続きが必要です。
上記の手続きがなければ、法的には買主に所有権が移転したことにはなりません。
所有権移転登記を行うには、以下のような書類が必要です。
■基本書類
- 売主の登記済証または登記識別情報
- 売主の印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 買主の住民票
- 売買契約書または登記原因証明情報
- 登記委任状(司法書士への委任用)
- 対象不動産の固定資産評価証明書(当年度分)
- 売主および買主の本人確認書類(顔写真付き)
- 売主および買主の実印
■場合によって必要な書類
- 法人が関与する場合:代表者事項証明書または法人の登記事項証明書(発行から3か月以内)
- 売主の住所が登記簿と異なる場合:住民票または戸籍の附票
- 売主の氏名が変更されている場合:戸籍謄本および本籍地入り住民票または戸籍の附票
- 買主が住宅ローンを利用する場合:買主の印鑑証明書(発行から3か月以内)、金融機関向け委任状
- 農地を含む場合:農地法の許可書
- 会社とその役員間の取引の場合:株主総会議事録または取締役会議事録
書類が用意できたら、管轄の法務局に申請します。
ローンを利用する際の審査が厳しくなる
個人間売買でも住宅ローンを利用すること自体は可能ですが、金融機関によっては慎重な審査が行われます。
理由は不動産業者の仲介がない分、物件が本当に問題ないか、きちんとした価値があるかどうかを確認しにくいからです。
たとえば以下の点に注意する必要があります。
- 銀行が提携する不動産会社を通さないと融資できないケースがある
- 売主側が住宅ローン残債を完済していないと融資が下りない
- 建物の築年数が古い場合や違法建築の場合はローンが組めないことがある
ローン利用を前提とするなら、事前に金融機関とよく相談してください。
トラブル防止のために専門家を活用するのがおすすめ
個人間売買では、不動産会社の仲介がないぶん、法律的・実務的なリスクが高くなります。
以下のようなケースでは、専門家への相談を検討してください。
- 境界が不明確で土地の測量が必要な場合
- 建物に不具合があり、瑕疵担保責任の範囲を明確にしたい場合
- 契約書の内容が不安な場合
- 登記手続きを確実に行いたい場合
相談先としては、弁護士のほか、司法書士や土地家屋調査士、建築士などが挙げられます。
まとめ
不動産会社を介さずに取引すれば、コストを抑えられる一方で、情報開示の不足や契約トラブル、登記漏れなど多くのリスクがあります。
そのため事前に物件の状態を確認して、契約書を適切に作成し、必要に応じて弁護士などの力を借りるのが重要です。
大切な財産の取引だからこそ、少しでも不安がある場合は専門家に相談し、トラブルのない売買を目指してください。
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