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債権回収の流れと法的手続きの方法

債権回収は、ビジネスや個人間の取引において避けられない課題のひとつです。

未払いの債権を回収するためには、適切な手続きと戦略が必要です。

本記事では、債権回収の基本的な流れと、法的手続きの方法について詳しく解説します。

債権回収とは

債権回収とは、貸し付けたお金が期限を過ぎても返済されない、あるいは提供したサービスに対する代金が期限どおりに支払われないといった場合、支払い義務のある相手(債務者)から話し合いや法的手段などにより回収することです。

債権回収の流れ

債権回収の流れは、以下のように大きく4つに分けられます。

 

  1. 電話やメールによる督促
  2. 内容証明郵便の送付
  3. 任意交渉
  4. 法的手続き

1.電話やメールによる督促

債権回収が必要になった場合、まずは電話やメールなどで催促してみましょう。

相手方が滞納を認識していなかったり、支払期限を誤認していたりする可能性があるからです。

相手との関係性を維持し、法的手続きを経ずに回収できる場合があります。

2.内容証明郵便の送付

電話やメールによる督促に応じてもらえない場合には、書面による督促を行います。

このような書面を「督促状」や「催告書」と呼びます。

書面には、未払いの金額や支払期限、期日までに支払いがなかった場合には法的措置をとる旨などを記載しますが、書き方は特に決まりがありません。

この際、内容証明郵便にすることで、郵便局に差出人や宛先、差出日時などの送付情報を証明してもらうことができるので、重要な証拠のひとつになります。

3.任意交渉

催告書に対して応答があり、話し合いに応じる意思がある場合は、相手方ともう一度支払い方法や支払期限などを確認しましょう。

場合によっては、分割払いの提案や支払期限の延長など、支払条件の調整も検討します。

このとき、可能であれば合意書を作成しておくと良いでしょう。

双方の署名や捺印をしておくと、万が一法的手続きをとることになった場合に有効な証拠となります。

4.法的手続き

任意交渉で解決しない場合は、法的手続きを検討する必要があります。

法的手続きには支払督促や少額訴訟など、いくつかの方法があります。

法的手続きを行う前の準備として、契約書や取引記録など、証拠となる書類の整理をしておくと良いでしょう。

法的手続きの流れ

次に、具体的な法的手続きの流れについて説明します。

法的手続きには、大きく分けて以下の4つがあります。

 

  1. 民事調停
  2. 支払督促・民事保全(仮差押え)
  3. 少額訴訟・民事訴訟
  4. 民事執行(強制執行)

1.民事調停

民事調停とは、話し合いによりお互いが合意することで解決を図る手続きです。

原則として相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、調停により合意された内容は判決と同様の法的効力が生じます。

話し合いには裁判官の他に一般市民から選ばれた調停委員が立ち会いますが、基本的には当事者同士が話し合うので円満な解決を目指すことができ、費用面でも安く抑えることができます。

2.支払督促・民事保全(仮差押え)

支払督促とは、裁判所から支払いを命じる文書を通知してもらう手続きで、相手方から2週間以内に異議の申し立てがなければ、判決と同様の法的効力が生じます。

民事調停の場合と同様、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、基本的には書類審査のみで裁判所に出向く必要はありません。

また、同時に民事保全(仮差押え)の手続きを行っておくと、例え支払いがなされない場合でも、仮差押えした財産から強制的に回収することが可能になります。

3.少額訴訟・民事訴訟

相手方が支払督促に異議を申し立てた場合など、訴訟へ移行することがあります。

60万円以下の金銭請求については、少額訴訟を利用することができます。

少額訴訟は原則として1回の審理で判決が言い渡され、通常の訴訟と比較して手続きも簡易なため、迅速に解決できる可能性があります。

140万円以下の金銭請求の場合には民事訴訟となり、裁判官が双方の言い分を聞いたり証拠を調べたりした後、判決をすることによって解決を図ります。

4.民事執行(強制執行)

相手方が判決に従わない場合、民事執行(強制執行)を申し立てることができます。

強制執行の方法として給与の差し押さえ、銀行口座の差し押さえ、不動産の競売などがあります。

強制執行の注意点として執行費用を負担しなければならないこと、執行不能のリスクがあることに注意が必要です。

債権回収における注意点

最後に、債権回収における注意点をご紹介します。

債権には消滅時効というものがあります。

消滅時効とは、一定の期間が経過した後、権利が使われない場合はその権利が消滅するというものです。

消滅時効の期間として、権利を行使できることを知った時から5年経過するか、貸主(債権者)が知ったかどうかとは関係なく、権利が行使できる時から10年経過するか、いずれか早い時期が採用されます。

なお、内容証明郵便の送付や訴訟の提起などにより、時効を猶予することができます。

まとめ

債権回収は迅速な対応と適切な手続きが重要です。

初期の対応をしっかりと行い、必要に応じて法的手段を検討することも必要です。

また、法的手続きの進め方については、法律の専門家である弁護士に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。

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山口 海先生

山口 海Yamaguchi Kai / 千葉県弁護士会

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経歴
2009年
千葉県立成東高校卒業
2014年
明治大学法学部卒業
2017年
明治大学法科大学院修了
司法試験合格
2019年
弁護士登録
しおかぜ法律事務所設立

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資格者氏名 山口 海(やまぐち かい)
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