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遺産分割協議書|作成のメリット・デメリット

一般的に相続人が複数いる場合は、遺産をどのように分割するのか話し合いによって決めますが、合意した内容を書面に残しておけばトラブル回避に有効です。

この記事では、遺産分割協議書を作成するメリットやデメリットについて解説します。

遺産分割協議書とは

相続人全員で遺産をどのように分割するのか話し合うことを「遺産分割協議」と言い、遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類が「遺産分割協議書」です。

遺産分割協議書を作成するメリット・デメリット

遺産分割協議書を作成するメリットとデメリットについて解説します。

メリット

遺産分割協議書を作成するメリットは主に3つです。

 

  • 相続人同士のトラブル回避
  • 遺産分割協議の内容を書面で保管できる
  • 遺産分割をする場合は相続手続きに必要

 

遺産分割協議書を作成すれば、遺産分割協議で合意した内容を書面に残せるため、相続人同士のトラブルを防げます。

例えば、遺産分割協議書を作成していない場合、遺産分割協議で全員納得したにも関わらず、後になって「どう考えても自分の取り分が少ない」と話を蒸し返すようなトラブルになりかねません。

一方、遺産分割協議書を作成していれば、後になって誰かが異議を唱えても遺産分割協議書の内容通りに法的に分割手続きを行っているのでトラブルを回避できます。

また、遺産分割の相続手続きをする際には、遺産分割協議書の提出を求められるので作成しておけばスムーズに行えます。

デメリット

遺産分割協議書を作成するデメリットは以下の3つです。

 

  • 作成時に記入ミスや記入漏れが起こる可能性がある
  • 一度で認められなければ何度も訂正する必要がある
  • 相続税の申告手続きに間に合わないことがある

 

遺産分割協議書は決められた様式はありませんが必ず記載しなければならない項目があります。

そのため、自分で遺産分割協議書を作成する場合は記入ミスや記入漏れが起こりやすいので注意してください。

また、法務局や金融機関などに提出したときに記入内容に不備があれば差し戻しとなり、訂正して改めて提出する必要があります。

訂正には相続人全員の訂正印が必要なので、郵送や自宅を訪問して訂正印を押してもらう手間と時間を要します。

さらに相続税の申告は、被相続人の死亡を知った翌日から10カ月以内が期限とされているため、正式に認めてもらえるまでに時間がかかり過ぎると相続税の申告手続きに間に合わない可能性があります。

遺産分割協議書を作成するときの注意点

遺産分割協議書を作成するときの注意点を4つ解説します。

相続人全員の合意が必要

遺産分割協議で1人でも意義を唱える相続人がいれば遺産分割協議書は作成できません。

そのため、相続人全員の合意を得られるまで辛抱強く話し合うのはもちろんですが、あまり長引くと相続手続きの期限内に申告できないかもしれません。

遺産分割協議は相続開始後に行う

被相続人が亡くなった後に遺産と相続人が確定するため、相続開始前に行った遺産分割協議は基本的に無効です。

例えば、相続開始前に遺産分割協議を行い、参加者全員が合意しても相続開始後にすべての参加者が相続人であるとは限らず、参加していない人が相続人になることもあります。

また、被相続人の生前中に持っている財産を想定して話し合ったとしても、生前中の介護費や入院費、亡くなった後の葬式代や墓石代などを支払うと遺産がなくなる可能性もあるので気をつけてください。

ただし、相続開始前の話し合った内容でも、相続開始後に改めて相続人全員が合意(追認)すれば、遺産分割協議と同じ状態になるので遺産分割協議書は作成できます。

相続後に判明した遺産の取り扱いを明記しておく

遺産を特定するときには気付かなかった遺産が相続後に判明した場合、どのように遺産分割するのか遺産分割協議書に記載しておきましょう。

万が一に備えて詳細に記載しておけばトラブルを未然に防げます。

遺産分割協議書が無効なるケースがある

遺産分割協議書を作成しても以下の場合は無効になるので注意してください。

  • すべての相続人が参加していなかった
  • 相続人に意思能力がない

遺産分割協議書は相続人全員の合意がなければ作成できないので、相続人が認知症を患って意思能力がない場合には無効になるので注意してください。

ただし、相続人の意思能力がない場合は成年後見人などの代理人を立てれば有効です。

まとめ

今回は、遺産分割協議書を作成するメリットやデメリットについて解説しました。

遺産分割協議書は遺産分割協議で合意した内容を明確にして書類に残すことです。

また、遺産分割協議書を作成しないと、相続人同士のトラブルや相続の状況によっては相続手続きができない可能性もあるので注意してください。

遺産分割協議書は必ず記載しなければいけない項目があり、記載漏れがあると無効になります。

そのため、記載漏れや記入ミスを防ぎ、スムーズに作成するためには法律の専門家でもある弁護士に相談することをおすすめします。

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山口 海先生

山口 海Yamaguchi Kai / 千葉県弁護士会

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経歴
2009年
千葉県立成東高校卒業
2014年
明治大学法学部卒業
2017年
明治大学法科大学院修了
司法試験合格
2019年
弁護士登録
しおかぜ法律事務所設立

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事務所概要

名称 弁護士法人しおかぜ しおかぜ法律事務所
資格者氏名 山口 海(やまぐち かい)
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