相続手続の流れや必要書類について解説!
親族が亡くなった時、葬儀の手続などに続いて行わなければならないのが相続手続です。
ただ、初めての経験で何から手をつけていいか分からない方も多いでしょう。
本記事では相続手続の流れと、相続手続に必要な書類の種類を解説してきますので、ぜひ参考にしてみてください。
相続手続の流れ
相続手続の流れは以下の6ステップです。
- 遺言書の有無を調べる
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍情報を集める
- 法定相続人を決定し、法定相続人の戸籍情報を集める
- 故人の相続財産を確定する
- 遺産分割協議書の作成
- 名義を変更して相続する
1:遺言書の有無を調べる
まずは、遺言書の有無を調べましょう。
最初に遺言書の有無を調べる理由は、相続において遺言書が一番大きな力を持っているからです。
たとえば、話し合い等で相続人ごとの取り分が決まった後に遺言書が発見された場合、遺言書に従った相続をしなければならず二度手間になってしまいます。
ですので、まずは遺言書の有無を調べてください。
遺言書の種類は3つです。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
遺言書の探し方は、公証役場や法務局への確認を行う他、個人の遺品整理をする中で発見される場合もあります。
2:故人の一生分の戸籍情報を集める
次に、故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍情報を集めます。
戸籍情報を集める理由は今後の相続手続で必須であることと、法定相続人(法律上、相続できる権利のある人)を確定させるためです。
集める戸籍は以下の3つです。
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改製原戸籍
戸籍謄本(現戸籍)だけではなく、過去の戸籍情報も必要です。
戸籍情報は、本籍地の役場で発行できます。現在の居住地ではないので注意してください。
3:法定相続人を決定し法定相続人の戸籍情報を集める
故人の戸籍情報を集めた後は、戸籍情報から法定相続人を決定します。
相続人の優先順位は法律で決められており、以下のとおりです。
- 必ず相続人になれる人…配偶者
- 相続順位第1位…子ども、直系卑属(子どもが死亡していれば孫、孫も死亡していればひ孫に相続権利が移行する)
- 相続順位第2位…親、直系尊属(親が死亡していれば祖父母に相続権利が移行する)
- 相続順位第3位…兄弟姉妹、甥、姪
法定相続人が決定したら、法定相続人全員の戸籍謄本を準備します。
法定相続人の戸籍謄本が必要な理由は、相続人の生存を確認するためです。
法定相続人の戸籍謄本も、本籍地のある役場で発行してもらいましょう。
4:故人の相続財産を確定する
次に、故人の相続財産を確定します。相続財産を確定させる理由は3つあります。
- 相続放棄を検討するための材料にするため
- 遺産分割のため
- 相続税納付のため
たとえば相続財産を洗い出した結果、資産より借金の方が多ければ相続しない選択もできます。
また、遺産分割(誰がどの遺産を相続するかを確定すること)をする際にも正確な資産額が必要です。
相続額が高ければ相続税が発生する可能性もあるので、相続税納付のためにも相続財産を確定させます。
相続財産の種類
相続財産は大きく分けて4つあります。
- 預貯金
- 不動産
- 有価証券
- 借金
全ての財産情報が一つにまとめられていない限り、一つずつ精査する必要があります。
故人の遺品の中で、金融機関の書類や建物の売買契約書などを元に、相続財産を確定させます。
自力で相続財産を精査するのが困難な場合は、専門家を頼るのも一つの手です。
5:遺産分割を行って遺産分割協議書を作成
相続財産を確定させたら、遺産分割協議書(誰がどれくらいの遺産を相続するか内訳を記した書類)を作成します。
遺産分割協議書は、法的に必須な書類ではありません。
しかし口約束だけでは次に解説する遺産の名義変更が難しくなってしまうので、法的に必須でなくとも遺産分割協議書を作成して書面として残しておくことが必要となります。
また後々のトラブルを回避するためにも、遺産分割協議書は作成しておいた方がよいでしょう。
遺産分割協議書に決められた書式はないため、独自で作成しても問題ありません。
ネットで検索すると、遺産分割協議書のひな形があるため、参考にしてください。
6:遺産の名義変更をして相続する
最後に遺産の名義変更をして相続をします。
名義変更には、主に以下の書類が必要です。
- 故人の一生分の戸籍謄本
- 故人の通帳や契約書など故人の情報が分かるもの
- 相続人の戸籍謄本
- 相続人の印鑑証明書
- 遺言書(あれば)
- 遺産分割協議書
以上の書類を準備の上、関係機関で名義変更を行いましょう。
まとめ
相続手続は人生で何度も経験することではないので、不安が多いでしょう。とくに、故人の相続財産を確定するには、労力と知識が必要です。
相続手続の流れはおおむね決まっていますが、知識がないと自分たちだけでは対応できないようなことも数多くあります。
また遺産分割協議書の作成など、法的に必須ではないものであっても後々の手続を考えると作成が必要になる書類もあります。
これらを作成しないまま相続手続を続けてしまうと、のちに大きなトラブルに発展してしまう可能性も考えられるでしょう。
相続手続に不安がある方は、専門家に相談することを検討してみてください。
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- 経歴
-
- 2009年
- 千葉県立成東高校卒業
- 2014年
- 明治大学法学部卒業
- 2017年
- 明治大学法科大学院修了
司法試験合格
- 2019年
- 弁護士登録
しおかぜ法律事務所設立
Office Overview
事務所概要
名称 | 弁護士法人しおかぜ しおかぜ法律事務所 |
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資格者氏名 | 山口 海(やまぐち かい) |
所在地 | 〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央4-10-16 CI-22ビル3階(受付 302) |
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